坐骨神経痛 とは、慢性的に下肢全体に痛みやしびれを感じてしまう症状のことを言います。打撲等によって発症することもありますし、ある種の腰痛が悪化して慢性化した状態とも言えます。神経の刺激に由来する症状です。その 治療 方法について、いくつかご案内します。
坐骨神経痛に適した治療
腰痛と坐骨神経痛の違い
腰痛の慢性化した状態で、坐骨神経痛と診断されることがあります。この場合の決定的な違いは、痛みの生じる部位によります。腰痛の場合、痛みは腰回りだけに限られますが、坐骨神経痛となると、腰から下、足全般にわたって痛みやしびれを感じます。
腰痛の場合には、長時間同じ姿勢でいたり、急激な負担を掛けた場合に劇的な痛みが続いたりします。初めはたまにしか痛まなかったはずが、やがて負担の習慣化や、体力の衰えなどにより、慢性的な腰痛へと変わっていきます。
坐骨神経痛の場合、初めは下肢へのしびれから始まり、歩くことに違和感を感じるようになります。やがて症状が進行してくると、歩いていなくとも特定の姿勢や動作により痛みやしびれを感じるようになります。しかもその痛みは、ほぼ慢性的に起こり、歩けなくなることすら有り得るのです。
坐骨神経痛の治療法
坐骨神経痛の治療法は、腰痛の治療法とほぼ似通った形で行われます。つまり、薬物による痛みの緩和、あるいはストレッチやマッサージなどと併せた保存療法、さらに鍼灸院や整骨院、整体によるツボへの刺激などが主な治療法となります。
果たしてどの治療法がもっとも適切なのかというと、それぞれの年齢、体調や生活環境による適性があります。発症の前後関係を特定できるようであれば、専門の医師や整体師に、詳細な経緯を説明し、丁寧に治療に取り組んでいくことが大切です。
しかしながら腰痛と同じく、なかなか原因を特定できないケースが多くあります。大まかな症状の違いによる対処で、少しずつ治療方法を絞り込んでいくこともあります。
薬物による治療法
痛み止めなどの服用、あるいはブロック注射などは、痛みを軽減させるためには効果的です。痛みを軽減させることによって、困難だった日常の動作を支障なく行えるようになります。精神的にも楽になり、それが治療効果を高めることもあります。
しかしながら、あくまでも痛みの感覚を麻痺させたにすぎないので、慎重に徐々に動かして慣れさせていかなければなりません。ひょんな弾みで悪化することもあります。
その度に薬物を服用していたら、依存的になることもあるので注意が必要です。痛み止めの服用は専門医の指示を仰ぎながら、慎重に治療に取り組むことが大切です。
温めて治す
原因を打撲と特定できない限りは、冷やすことは禁物です。なぜならば坐骨神経痛などの神経障害は冷えによる血行不良などが大きく影響しているからです。冷えにより硬化した筋肉や周囲の皮膚が、神経を圧迫することによって痛みを生じます。
したがって硬化した筋肉や周囲の器官をほぐしてあげなければなりません。温めてあげることが大切です。温めることによって、血行が促進され循環も良くなります。
ストレッチやマッサージ、鍼灸による治療
ストレッチやマッサージによって、痛みが緩和することもあります。しかしながらそのストレッチやマッサージが痛みを伴うとすれば、むしろ神経はその痛みに対しても防御態勢に入ってしまいます。つまり刺激に対してますます敏感になってしまうということです。
鍼灸に対しても同じようなことが言えます。確実に適所を刺激することが出来れば好いのですが、レントゲンやМRIなどの検査をしても、なかなか異常を見つけられないのが現状です。
それほど坐骨神経痛の原因を特定するのは難しく、またその引き起こしてしまう要因が複雑で多岐にわたっていると言えます。それぞれの治療法により、それなりの効果を得ることはできます。一時的な痛みの緩和により安心感を得ることも生活していくためには大切なことです。
ひとつの治療があまりに長引いて効果を得られないときには、セカンドオピニオンを得ることも考えなければなりません。何より痛みを抱えている患者さん自身による症状の把握と、それに応じた生活習慣の見直しが大切です。
まとめ
坐骨神経痛に適した治療
腰痛と坐骨神経痛との違い
坐骨神経痛の治療法
薬物による治療法
温めて治す
ストレッチやマッサージ、鍼灸による治療