坐骨神経痛 には打撲や炎症などによる急性の坐骨神経痛と、腰痛の悪化に伴う慢性の坐骨神経痛があります。急性の場合には、安静に過ごすことが大切だと言われています。
慢性の場合、様々な治療法が試みられていますが、その中で 運動 療法による治療にスポットを当てて、ご紹介します。
坐骨神経痛への運動療法
坐骨神経痛の原因
慢性の坐骨神経痛というのは、腰痛の悪化、慢性化したケースととらえても差し支えありません。その原因も腰痛の原因とほぼ同じで、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による神経の圧迫、もしくは筋肉の緊張・硬化による圧迫がほとんどです。
改善するためには、圧迫箇所を特定し、圧迫箇所そのものを除去するか、そこをほぐし、緊張を和らげる必要があります。また温めたり、軽い運動を行ったりして、血流を促し、血行を良くすることによって、痛みが緩和されることもあります。
一時的にでも痛みが治まるということはとても大切なことで、身体本来の持っている治そうという機能の相乗作用として、痛みを鎮める効果がいっそう高まっていきます。
坐骨神経痛への運動効果
ひどい痛みでない場合には、筋肉が疲労しない範囲の運動を続けることが大切です。痛いからといって患部をかばうような姿勢や動作を続けていると、骨盤の歪みを招き、ますます悪化してしまいます。
適度な運動を心がけ、腰部を出来るだけ温めた状態にして、血液の循環を良くしておかなければなりません。そうすることによって神経への圧迫も軽減されていきます。なおかつ筋肉は絶えず柔軟に身体の動きに対応することが出来るようになります。
運動療法はやりすぎると、疲労が蓄積して再び筋肉が緊張してしまいますので注意が必要です。バランスが大切です。また外部筋肉だけでなくインナーマッスルへのトレーニングも忘れてはなりません。
坐骨神経痛への効果的な運動
腰痛全般に対して言えることですが、腹筋と背筋をバランスよく鍛えることはとても大切なことです。
ウォーキングは身体全体のバランスを整えるには最適の運動なのですが、坐骨神経痛の場合、歩行に対して違和感を感じることもありますので、痛みをかばうような歩き方になり、かえって悪化しないとも限りません。クッション性の高い靴を履いて、慎重に行いましょう。
水泳などは重力から解放され、かなりの効果が期待できます。いずれにせよ負担にならないように行わなければなりません。ウォーキングや水泳、あるいはどのような運動を行うにせよ、急に始めずに、まずは患部を温めておくことから始めましょう。
坐骨神経痛の運動療法のひとつとして、仰向けに寝て両膝を抱え込む、というストレッチ体操があります。胸元に引き寄せるように強く抱え込むことによって、腰の筋肉が伸びて、神経の圧迫が軽減されます。
また、片方ずつを抱え込んで、抱え込んだ足と逆の方向に腰をひねるように横に倒すと、お尻の筋肉もほぐれていきます。このように坐骨神経を刺激しかねない筋肉をほぐしてあげることが、痛みの軽減につながり、反復することによって症状は改善されていきます。
これらの運動をワンセット10回として、一日に6セット行うことで効果を期待が平均的なメニューとなっています。
うつ伏せに寝た状態から両腕を支えに上半身を反らすことによって痛みが軽減することもあります。背筋を鍛えるときにやる運動ですが、それほど激しく負荷をかける必要はありません。
坐骨神経痛は、痛む場所がどこであるかによって、取り入れる運動療法も変わってきます。運動に取り組んでいるときに、少しでも痛むようならすぐに中止して下さい。
運動療法の取り入れ方
日常的に運動療法を取り入れることによって、背骨を中心として腰から脚にかけて常時安定した柔軟な筋力を保つことができます。手軽に出来ますし、経済的な負担もかかりません。
坐骨神経痛の症状が出始めてからの運動量は、健常時の7割程度が目安とされています。くれぐれもやりすぎないように注意しなければなりません。また医師の診断を仰ぎつつ、症状に応じて、運動の内容と、運動量を変えていくことも必要になってきます。
坐骨神経痛への運動療法による治療は、症状が軽度の場合にはそれだけでかなりの効果が望めます。けれども重度の場合や、はっきりと原因が特定できる場合には、その原因に対する治療を優先的に進めることになり、運動療法はサポート的な役割をすることになります。
まとめ
坐骨神経痛への運動療法
坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛への運動効果
坐骨神経痛への効果的な運動
運動療法の取り入れ方