日本人に多いと言われている頭痛はそれだけで生活の質を下げる大きな原因となり得ます。また、頭痛だけでなく、めまいや吐き気、倦怠感などの随伴症状がでることも稀ではありません。
日常的なものでは偏頭痛のように生活リズムの乱れが原因となる頭痛ですが、中には脳の疾患で命に関わる疾患が隠れている場合もあります。危険な頭痛の可能性もあるので、ひどい 頭痛 や 吐き気 の場合には速やかに医療機関を受診して 原因 を明確にすることが大切です。
頭痛と吐き気を起こす原因
脳の疾患で起こる場合
まず、命に関わる疾患の前の前駆症状として起こり、症状として頭痛と吐き気を伴うものに、「高血圧」があります。
高血圧によって頭痛が引き起こされている場合は、放置しておくと、くも膜下出血や脳出血の原因となるので、速やかに治療する必要があります。吐き気が強くない割に嘔吐してしまう場合は、高血圧である可能性が高いです。
くも膜下出血は命に関わる病気で、突然の激しい頭痛、嘔吐、意識障害、言語障害を伴い、すぐに処置しなければいけません。頭痛と吐き気に伴い、高熱やけいれんが出る場合は、脳炎や髄膜炎を疑う必要があります。
その他には、頭部を強く打ち付けたあとに起こる慢性硬膜下出血があります。転びやすい高齢者に多く起こり、頭を打ち付けた後に頭痛や吐き気が出た場合は注意が必要です。
偏頭痛で起こる場合
頭痛と吐き気を伴う症状の多くは偏頭痛が原因です。頭の右もしくは左の片側だけの頭痛で、吐き気を伴う場合、偏頭痛が考えられます。
偏頭痛は強い光や大きい音刺激、運動で症状が悪化するため、頭痛や吐き気が起こってしまった時には、暗くて静かな場所で安静にするのが最も良い対処法です。
偏頭痛の直接的要因は、痛む部位の血管の拡張とそれに伴う炎症であり、その血管拡張の誘発因子は食生活・睡眠といった生活環境の乱れとストレス、天候の変化や女性では生理周期など多岐に渡ります。また、家族性も強く、偏頭痛の起こしやすい人は慢性的に偏頭痛に悩まされています。
血管の拡張を抑えるために、痛む部位を冷やしても症状の緩和が期待できます。頭痛外来などを受診して、適宜服薬で対処することも生活の質を保つためには必要です。投薬治療では偏頭痛に対して血管の拡張を抑えるトリプタン製剤が処方されます。
安易に市販の鎮痛剤を乱用していると、薬物乱用頭痛に陥ってしまう危険がありますので、頭痛で生活に支障を来すような慢性的な偏頭痛の場合は、専門の医療機関の受診をした方がよいでしょう。
また予防的に偏頭痛を起こさないようにするためには、生活環境を見直すことが重要です。ダイエットなどで栄養が不足して低血糖状態になると偏頭痛を起こしやすくなります。また、睡眠が不足したり、不規則な生活リズムになると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、偏頭痛の要因となります。
生活環境を安定させることは、ストレス耐性を高め、偏頭痛を起こしにくくすることになります。生活を見直したうえで、リラックスできる時間や好きなことをしたりして、上手にストレスコントロールをしましょう。ストレスは個人個人解消法もちがうので、自分なりのストレス解消法を見つけることが必要です。
その他の疾患で起こる場合
稀ではありますが、目の疾患で頭痛と吐き気が起こることがあります。その代表疾患が緑内障です。
緑内障は眼球内の圧力が高まり、視神経に影響を与える疾患です。視神経が委縮することで、視野が狭くなるのですが、同時に頭痛や吐き気を伴います。緑内障は進行性で、回復の難しい疾患ですので、早期に発見し、治療を始めることが重要です。
まとめ
頭痛と吐き気を起こす原因
脳の疾患で起こる場合
偏頭痛で起こる場合
その他の疾患で起こる場合