風邪による頭痛と頭痛持ちと言われる方の頭痛とは似て非なるものがありますが、その違いを見極めることが大切です。間違った治療、あるいは薬物依存にならないよう、日常的なケアによって 風邪 を未然に防ぐことはもちろん、慢性的な 頭痛 とも上手に付き合っていきましょう。
頭痛と風邪、もっと怖い病気
風邪による頭痛
風邪という病気は、ウイルスや細菌に感染することによって起こります。そして風邪を引くと必ずと言っていいほど頭痛の症状を伴います。
人間の身体は風邪を引くと、くしゃみ、鼻水、咳などにより感染源である細菌を排除しようとします。さらに細菌に抵抗するため、血液内の免疫細胞である白血球を増やし、血流を活性化しようとします。
そのため血管は膨脹します。膨張した血管が周囲の神経を刺激します。こうして風邪に伴う頭痛、発熱という症状が発生します。このような血管拡張による頭痛発生のメカニズムは片頭痛とも似ています。
風邪による頭痛と片頭痛
片頭痛の場合には、咳、くしゃみ、鼻水は出ません。また発熱もありません。これらの症状は風邪によるものです。あくびが頻繁に出るようでしたら、片頭痛の症状が表れる兆候と思ってよいでしょう。
いずれにせよ、心身の疲労感とともにあらわれますので、気付いた時点で安静に過ごすなどの対策をとりましょう。
片頭痛持ちの風邪
頭痛発生のメカニズム的には同じような経路をたどるのですが、慢性的な片頭痛と、風邪という病気とは全く別物です。片頭痛は慢性頭痛、風邪は感染による一過性の病気です。
片頭痛の方が風邪を引いてしまって、頭痛のひどくなる場合があります。外部環境の変化に敏感なため、風邪を引いたことが過渡のストレスになってしまうのです。そんな時、いつもの頭痛よりもひどいからと言って頭痛薬と風邪薬との併飲をしてしまいかねません。
けれどもかえって二次症状や薬物依存におちいりやすく、本来人間の身体が持っているはずの治癒力さえも損ねてしまいます。そうして取り返しのつかない、もっと怖い病気を誘発することもあります。
先ずは風邪という病気の治療に専念することが大切です。どうしても薬を飲みたくなるようなひどい症状の場合には医師の診断を仰ぎましょう。
もっと怖い病気
脳の血管には「脳血管関門」という関所のような部分があります。脳の中に有害な異物が入らないように護るバリケードのような役割をしています。
しかし経年劣化と、日々進化を遂げるウイルスとの格闘によって、バリケードも少しずつ壊れていきます。そこへ血小板という血液を固める成分が血液に紛れて流れて来ます。血小板はバリケードの壊れた部分を治し、穴をふさいでくれます。
そうして脳へのウイルスの侵入を防ぐのです。ただし、これはあくまでも健康な状態での話です。健康でない状態、すなわち普段から薬物に対する依存傾向のある方は注意が必要です。血小板の機能が低下している可能性があるからです。
血小板の機能が低下すると、出血時の止血作用が働かないことはもちろん、この「脳血管関門」におけるバリケード修復作業も行われなくなります。したがって脳の中にウイルスが侵入し、髄膜炎や脳炎という緊急を要する恐ろしい病気を引き起こしてしまいます。
本来身体が持っている能力を損ねることなく、治療していく、あるいは付き合っていくというスタンスが大切です。
薬物依存に陥らないために
病気というのは未然に防ぐことがいちばんの治療です。けれども遺伝性の病気もありますし、また不慮の事態もないとも言えません。だからと言って薬漬けにならないよう気を付けなければなりません。処方箋通りでなくともよい場合もあります。ご自分の身体の持っている能力を信じることが大切です。
例えば、冬になると必ずと言っていいほど風邪を引く方がいます。若いうちにはすぐに治りますが、加齢と共に治りにくくなります。うがい、手洗い、小まめな水分補給、適度な運動、マスクの着用、出来るだけ感染源に近づかないようにする配慮も必要です。
そして出来るだけ薬に頼らなくて良い生活習慣を身に付けましょう。日常の食生活の改善により、今ある病気と上手に付き合っていくこと、病気にかかりにくい身体をつくっていくことはそう難しいことではないかも知れません。
まとめ
頭痛と風邪、もっと怖い病気
風邪による頭痛
風邪による頭痛と片頭痛
片頭痛持ちの風邪
もっと怖い病気
薬物依存に陥らないために