足のケガ、特に 足首 の損傷というのは、いつどんな時に起こるか、まったく予測はつきません。スポーツ選手に限らず、ふだん街を歩いていても、多くの危険が待ち受けています。いざ転んでつまずいたときに、あわてずに対処できるように、 テーピング の方法などをご案内します。
足首のケガ、いざという時のためのテーピング
足首のケガと応急処置
足首のケガには、骨折、じん帯断裂、捻挫などがあります。いずれも足首を不自然な形にひねったり、外部から強い衝撃が加わることによって引き起こされます。
受傷したら、患部を動かさないこと、冷やすこと、圧迫固定すること、そしてできれば水平より高く掲げることが大切です。それぞれ英語でRest、Icing、Compression、Elevationと表し、頭文字をとってRICEと呼ばれています。
それぞれのケガの場所や程度に応じた対処が必要になります。
足首のケガは、おおむね内側にひねることが多くあります。そしてじん帯が伸びきったり、切れたりしてしまいます。もし外側にひねられていたら骨折の可能性が高いと言えます。
どのような状況でケガをしたにせよ、無理は禁物です。できる範囲の応急の手当てと、速やかな受診が望まれます。
応急処置としての圧迫固定に関しては、常にテーピングのためのテープがあるとはかぎりませんが、いざ!というときのために、タオルやシャツなどでも代用できるように、大まかな巻き方を覚えておくと便利です。
横へのぐらつきを抑える
アンカーからスターアップ、そしてアンカーへとつなぐテーピング法があります。アンカーという方法は、いたって簡単です。
くるぶしの上こぶしひとつ分のところに二枚、ぐるりとテーピングをします。そこを基準に今度は縦にテーピングをします。それをスターアップと言います。
アンカーのテープの内側を起点として、真っ直ぐに足の裏を通り、外側へ強く持ち上げるように貼ります。そして外側のアンカーの位置を終点とします。
さらにその上にもう一度、アンカーの方法を用いてテーピングします。これはスターアップが剥がれないようにするための補強の意味もあります。
このテーピング方法は、足首の左右へのぐらつきを抑える効果があります。
足首が内側に曲がらないようにする
フィギュアエイトという方法があります。フィギュアエイトは、足首が内側に曲がることを抑える効果と、足が伸びすぎないように抑える効果があります。
外側のくるぶしの少し上を起点として、足首の正面を通り、まっすぐ下の足の裏の土踏まずを経由します。そして足の外側からふたたび引っ張り上げるように足首の正面を通り、内側のくるぶしの上半分のあたりから水平にぐるりと足を一周巻いて終点とします。
この巻き方の注意点は、足の裏の外側から内くるぶしへ巻くときに、しっかりと引っ張り上げて巻くことです。
巻く方向を間違うと力が逆に働いてしまうので、効果は薄れるどころか再発の危険性さえあります。十分にご注意ください。
かかとを固定し、足首が曲がりすぎないようにする
ヒールロックからサーキュラー、そしてアンカーへとつなぐテーピング法が効果的です。ヒールロックには、内側ヒールロックと外側ヒールロックの二通りあります。
外側から巻くか、内側から巻くかというだけの違いですが、テーピングの進行方向によっては痛みを伴い、かえって損傷を悪化させることもありますので、巻くときに負担のない方向を選んでテーピングしなければなりません。
外側ヒールロックの場合、足の前面外側から内くるぶしの上を通り、アキレス腱から足の裏、かかとを巻いていきます。かかとから足の甲正面へと移り、終点とします。
内側ヒールロックの場合は、この逆の手順になります。テーピングをより強くするために、ヒールロックの終点からスネにかけてぐるぐると巻き付ける方法をサーキュラーと言います。そして最後はズレたり、剥がれたりしないようにアンカーテーピングによって、しっかりと固定します。
これらのテーピングは、それなりの用意の元になされる理想的な処置法です。緊急のときは、タオルや布きれなどの代替品でも対応できるよう、その構造を理解しなければなりません。テーピングをするときは、足首を直角に曲げて動かさないことが大切です。
まとめ
足首のケガ、いざという時のためのテーピング
足首のケガと応急処置
横へのぐらつきを抑える
足首が内側に曲がりすぎないようにする
かかとを固定し、足首が曲がりすぎないようにする