スポーツをされるみなさんは テーピング に馴染みのある方も多いことでしょう。 腸脛靭帯炎 (ランナー膝)というポピュラーな症状にも重宝されます。しかし、意外と正しい巻き方、貼り方を身につけていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。やみくもに巻いていてもテープ代の無駄になりますし、いらぬ副作用を起こす危険もあります。
効果的な使用方法をご紹介します。
テーピングで万事解決?!腸脛靭帯炎
テーピングの準備
よもや汗だくのままテーピングをしようと考える方はごく少数派でしょうが、屋外であれば温タオルや冷タオルで巻く部分を拭いて、ご自宅ではお風呂上がりが良いでしょう。皮ふの汗や皮脂分をよく拭き取らないと、かぶれやかゆみの原因となります。
拭きすぎるとかえって汗が出てきますので、ゴシゴシ拭き取る必要はありません。皮脂もカサカサにならない程度に加減してください。
また毛深い方はそのまま貼ってはがすと悲惨な痛みに耐えることになりますので、毛の処理をしたほうが無難です。そして気にしない方が多いのが「ハサミ」です。刃先がステンレス加工かフッ素加工のものを使用しましょう。
使用前と使用後に殺菌作用のあるシートなどで刃先を拭くことも大切です。もちろん手もよく洗って清潔にして、手伝ってもらう場合はその方にもバッチリ洗っていただきましょう。
周辺環境はあまりにもほこりっぽかったり、土や砂ぼこりの立つようなところは避けましょう。腸脛靭帯炎は、そのような場所で無理をして施すような応急処置ではありません。
シップ代わりではない
さていよいよテーピングですが、多いのは腸脛靭帯とその周辺のみをテーピングするケースです。これでは効果は半減します。膝をサポートするテーピングも施すことにより、パフォーマンスが飛躍的にアップします。
腸脛靭帯炎を発症される方は、筋力不足とフォームに問題があり膝の使い方が不器用なケースが多いようです。走るにしてもジャンプをするにしても、からだの真下で素直に着地ができていません。
ご自身で確かめるのはむずかしいですが、おそらくからだよりも前のめりで膝が伸びた姿勢で着地しています。周囲のみなさんにみてもらうと良いでしょう。
したがって、膝が伸びすぎないように巻いて貼る必要があります。膝のテーピングのコツは、膝を曲げて貼ることです。膝を伸ばしたまま貼ると曲げたときにシワができたり、はがれてしまいます。テープは短く区切ったほうが丈夫に思えるかもしれませんが、長いほうが良いです。
湿布のように気休めにペタペタ貼るものではありませんので、真剣に集中して巻いてください。ただし、せっかくですがもしも肌が赤くなったりかゆくなったりしたら潔く直ちにはがしましょう。
テーピングで100%全開?
腸脛靭帯炎のテーピングは、からだの動きを制限して少しでも靭帯を休息させる効果があります。しかし根本的には何も改善していないも同然です。最も必要なことはからだの歪みやフォームを見直して矯正するというご自身の努力です。
テーピングによって皮ふと腸脛靭帯の摩擦が減ったからといって、今までと変わらない動作を続けていてはいつかはテーピングの効果が消滅します。からだの歪みをテーピングで治せたら、お年寄りや骨の病気などの方は苦労していません。
ご自身で巻くにしても専門家に巻いてもらうにしても過度な期待を寄せることは控えましょう。
あと1本の走りや1回の試合のためにテーピングをして臨むときには良い効果を期待したいですが、ふだんからテーピングをしてガンガン動いていてはいつまでも腸脛靭帯は中途半端な生ぬるい状態で筋力が弱っていく一方です。
テーピングが必要になったのは練習を頑張ったからではなく、ご自身に何かしら問題があると知らせてくれているのだと受け止めなくてはなりません。
まとめ
テーピングで万事解決?!腸脛靭帯炎
テーピングの準備
シップ代わりではない
テーピングで100%全開?