スポーツ選手や大相撲力士など、よくテーピングした満身創痍(まんしんそうい)の姿で試合に出場しているのを見かけます。すなわちテーピングが、それだけの効果と安心感を与えてくれるということです。
ここでは ふくらはぎ における肉離れと、 テーピング の効用についてご案内します。
ふくらはぎの疾患におけるテーピングの効用
ふくらはぎの疾患~肉離れについて~
ふくらはぎの疾患と言えば、肉離れがあげられます。肉離れとは、筋肉繊維の断裂のことを言います。激しい痛みをともない、内出血により青く腫れあがり、歩くことさえ困難になります。スポーツ選手に多く、激しいトレーニングで筋肉に過渡な負担をかけた場合に発症しやすい傾向にあります。
また普段からあまり運動をしない方が、突然ジョギングを始めたり、山登りをしたり、いずれにせよ普段使わない筋肉に対して、急に過剰な負担をかけたときに突発的に発症します。
放置しておくと内出血が進み、正常な筋肉繊維の中に入りこんでそのまま固まってしまうこともあります。そうなると元の動きを取り戻すことが困難になるので、応急処置というのが大切になります。
応急処置におけるテーピング
応急処置の基本として、RICE(ライス)と呼ばれる4つの処置方法を、覚えておくと便利です。RICEとは、安静・冷却・圧迫固定・挙上の英語読みの頭文字をとって組み合わせた造語です。
ふくらはぎに異常をきたしたら、どのような症状であれ、まず安静にすることが大切です。ふくらはぎの疾患の代表的なものとして、こむら返りと肉離れがありますが、外観でこむら返りと肉離れの区別はつきます。
こむら返りは筋肉の極度の緊張、いわば疲労による誤作動です。
肉離れの場合は、あきらかな損傷、筋肉繊維の断裂による内出血と腫れです。原因は同じく筋肉の疲労ですが、能力以上の負担を課した結果でもあります。頑張りすぎということです。
次に冷却処置をとるわけですが、こむら返りの場合には、冷却することは逆効果になってしまうので注意が必要です。逆に温めてゆっくりとほぐすことによって筋肉の緊張を解いていきます。
肉離れにおける冷却処置はとても重要です。早急な冷却が腫れと内出血を抑えます。内出血はアキレス腱にまで進行してしまうこともあります。肉離れでは、冷却がもっとも大切な応急処置といえます。
そしてテーピングやサポーターによる圧迫固定の処置をとることができれば、その後の治療経過は大きく変わってきます。そのような装具を常に持ち歩けるわけではありませんが、荷物としてかさばるものでもありません。
一度でも肉離れを経験された方や、急に過渡な運動をしなければならない場合には、準備しておくことも必要です。そしてテーピングの知識を蓄えておけば、万が一のときに慌てずにすみます。
挙上とは、患部を心臓より高く上げて、血液の流入を抑えることです。シチュエーションによっては、そのような体勢をとることができない場合もあります。安静にして患部への刺激を抑えることを基本に、すみやかに専門医を受診しましょう。
テーピングの効果とセルフテーピングの方法
テーピングの効果は、患部の圧迫と固定、ズレやそれ以上の腫れや出血を防ぐことです。そして何より患部の補強にもつながり精神的にも安心することができます。
その後の治療の段階での本格的なテーピングをする場合には、体毛処理などをしておくと、テープを剥がすときに痛い思いをしなくてすみます。またテーピング専用のアンダーラップというものも市販されています。
簡単なセルフテーピングの方法をご紹介します。まずかかとの裏から、アキレス腱をとおって(この場合アキレス腱を伸ばしておく)ふくらはぎ全体を覆い、ひざ裏まで縦に貼ります。これだけで、ふくらはぎの動きが安定します。
また肉離れの場合に効果的な貼り方としては、まず患部を覆う長さのテープを縦に一枚貼ります。そのテープに重ねて、ふくらはぎ全体を下からクロスさせて重ねながら貼っていきます。肉離れの場合、症状や治療の段階に応じて、テーピングの力加減も変えていかなければなりません。
まとめ
ふくらはぎの疾患におけるテーピングの効用
ふくらはぎの疾患~肉離れについて~
応急処置におけるテーピング
テーピングの効果とセルフテーピング