外反母趾は母趾が変形して痛みを伴い、小趾側に15度以上曲がった状態のことを言います。原因は、ハイヒールや足に合わない靴を履いていることで中足骨間の靱帯が緩み、足裏の横のアーチが崩れることと言われています。
そして、母趾の曲がった角度によって症状の重症度が分類されています。有効な手当の1つとして、変形する前や変形してしまった 外反母趾 を テーピング で矯正するという方法があります。
外反母趾の改善にはテーピングが効果的です!
重症度とテーピングのタイミング
外反母趾の重症度の判定は、母趾の曲がりの角度が15度までは正常、15~20度は軽度、20~40度は中度、40度以上は重度となります。
変形の経過は、痛みが始まった時が曲がり始めと言われていますので、この時期に、マッサージやテーピングをすることで変形を抑えることができます。
従って、痛み初めと軽度の外反母趾の時期に、早めにテーピングをすることが効果的だと言えます。但し、中度・重度の外反母趾については、整形外科に受診し、適切な治療を優先して受けることが大切です。
テーピング前の予備知識
テーピングは強い張力を保ちながら貼りつけるため、筋肉や関節、軟部組織に負荷がかかります。張力が強すぎると局部に炎症をおこす危険があり、必要以上の力がかからないようにすることが大事です。
母趾に痛みがある場合は炎症が起こっている可能性がありますので、炎症に対する処置として冷罨法や局部の保護をしっかりしましょう。また、テープへの過敏反応(アレルギー反応)によるかぶれや蒸れで皮膚の脆弱性が高まり、皮膚の損傷を招くこともあります。
まず、外反母趾ではないかと気になった場合は、整形外科医に受診して自身の重症度を確認し、医学的な判断の基に安全なテーピングを実施することをお薦めします。
テープを巻く時のポイント
外反母趾の特徴は母趾が小趾側(内側)に曲がるので、テーピングでは母趾を外側に引っ張る力が必要になります。また、中足骨間の靱帯が緩み、足の横のアーチが崩れることが原因と言われており、中足骨間の靭帯の引き締めが必要になります。
つまり、母趾の外側への張力と中足骨靭帯の引き締めで、足裏の横アーチの保持ができるようにテーピングをすることがテープを巻く時のポイントと言えます。
巻き方の1方法(カサハラ式より)
笠原氏によれば、2~3cm幅のテーピング用のテープを準備します。そして、7~10cmぐらいで切って、母趾の外側(足の内側)に両端を強く引っ張りながら貼ります。
次に、15cm程度テープを切って、母趾の内側から外に引っ張りながら母趾にひと巻きして、下の方に引っ張りながら足の裏側(土踏まず付近)を横断するように通り、足の甲に回して踵を回り小趾側に向けて貼ります。
最後に、10~15cm程テープを切って足裏のアーチを保持するように巻き付けて終了になります。
但し、テープの張力はあくまでも強過ぎず、個々に合った強さで巻くことが安全な方法です。
自身に合ったテープの選択や巻き方
最近ではテープが5cmぐらいで幅広いものが出てきています。伸縮性と弾力性があり必要以上の強い負荷がかからず、しかも皮膚に密着して剥がれにくい性質があります。また、素材の繊維の目が粗く隙間から通気があり、蒸れないのでかぶれなどの皮膚トラブルも起こりにくいです。
今までのテープに比べると細かく切ったりしなくてもいいことや、巻くときに扱いやすいという点もあります。
ただ、テーピングはあくまでも医学的治療と併用していくものですから、自己判断ではなく、医師、理学療法士等の意見を聞きながらテープの選択や巻き方を実施することが最善の方法です。
まとめ
外反母趾の改善にはテーピングが効果的です!
重症度とテーピングのタイミング
テーピング前の予備知識
テープを巻く時のポイント
巻き方の1方法(カサハラ式より)
自身に合ったテープの選択や巻き方