現代社会において子どもから大人まで幅広い世代に欠かせないアイテムとなったパソコンですが、一方で使用している人に様々な身体的な問題を起こしています。インターネットとスマホの普及、ゲームの充実,SNSの流行など、現代は画像の情報量が増え、1日で接している時間も増えています。
画像情報は目の酷使はもちろんですが、長時間同じ姿勢で、しかも独特の前かがみ姿勢(IT猫背)でいることによる身体的不調を引き起こします。その代表的な症状が 肩こり や 首の痛 みです。身体的な症状から眼精疲労や頭痛、ひどいと気分的に落ち込んだり睡眠不足に陥り、うつ状態になってしまうこともあります。
この症状をVDT症候群と呼び、厚生労働省もVDT労働環境のガイドラインを設けています。しかしながら日常生活にもVDT要素が含まれているため、職場だけではなく、自分で自己管理をして予防に努める必要があります。
肩こりと首の痛みから始まるVDT症候群
VDT症候群について
VDT症候群(Visual Display Terminal syndrome)は、パソコンやスマホ、タブレットなどを長時間使用し続ける作業(VDT作業)が引き起こす症状をいい、身体の不調や眼精疲労、精神的な不調を総称します。
代表的な症状は眼の症状で痛み、ドライアイ、かすみ、充血があり、身体症状は肩こり、首の痛み、頭痛や背部痛、手のしびれや消化器症状(胃炎・嘔吐など)がみられます。ひどくなるとストレスでぼうっとしたり、不眠になり、気分が落ち込みうつ状態に陥ることもあります。
VDT症候群における肩こりと首の痛みの原因
パソコン作業が多いデスクワークの方たちは、ある特徴的な姿勢をしています。頭をパソコンのモニターに向けて突き出して背中を丸くした姿勢で仕事をしています。そしてこの姿勢を長時間し続けるのです。この姿勢を「IT猫背」とよぶこともあり、肩こりや首の痛み、背部痛を引き起こします。
首を前に突き出して背中を丸めた姿勢を「猫背」と言いますが、人の頭の重さは成人で約6kgもあります。この重くて大きな頭を眠っている時以外は背骨や首で支えています。頭が真上にあれば、背骨全体で支えることが出来ます。
しかしこの猫背になると骨だけでは支えきれずに周囲の筋肉に大きな負担をかけることになります。ですから首と肩、背部に痛みがでるのです。
肩こり・首の痛みの解消法
仕事でパソコンを長時間するだけでなく、現代は家に帰ってもスマホやタブレットなど画像から情報をえることが主流になり、VDT作業は日常でも切り離すことが出来なくなっています。
ですから、普段から使用するときの姿勢に気を付けたり、時間毎に背伸びをしたり、立ち座りをしたりして、長時間同じ姿勢を取らないように心掛けることが大切です。
では、どのように姿勢に気を付けたらよいでしょうか。
例えばパソコンはノート型パソコンよりもデスクトップ型のパソコンの方が猫背になりにくいようです。視線が上を向きやすいので、背中が丸くなりにくいのです。それでも猫背になりやすい人は椅子に浅く腰を掛けて膝を深くまげておくと背中が自然と伸びます。
ノートパソコンの方でも15分に1回程度、頭を30秒程度後ろに反らせて休むと猫背が定着してしまうことを予防できます。
携帯電話やスマホを操作するときも視線をあげることが大切です。ですから、手元のスマホを見るのではなく、スマホを目線に持ち上げるようにすると背中が伸びます。また、自宅ではソファの背中にもたれかけることでも首の負担を軽くすることが出来ます。
猫背はすっかり定着してしまっている場合、なかなか癖は治らないものです。このような時は寝る時に背中の肩甲骨の下あたりに、バスタオルを横に丸めたものを敷いて寝ると、やんわりと丸まった背中を伸ばしてくれます。
まとめ
肩こりと首の痛みから始まるVDT症候群
VDT症候群について
VDT症候群における肩こりと首の痛みの原因
肩こり・首の痛みの解消法