特に骨折や脱臼などの症状がみられない首の痛みのことを 頸椎 捻挫 といいます。首は日常の中で動かすことが多く、その度に痛みを感じてしまうと何をするにも億劫になってしまいますよね。
どのようにすればその痛みから1日でも早く解放されるか、また怪我をしないで済むか、怪我の原因から治療法、予防法までご紹介します。
頸椎捻挫の痛みから1日でも早く解放されるには?
頸椎捻挫とは?
頸椎捻挫とは、頭と体幹部分をつなぐ頸部(首の部分)の外傷の一種です。その中でも、脱臼や骨折をしておらず、神経症状も生じていないものを頸椎捻挫と呼びます。
この怪我によって損傷する部分はさまざまです。ビルのように縦に7つ連なっている頸椎間に存在している椎間関節や筋肉、椎間板などに多くみられます。
頸椎を捻挫する原因
頸椎捻挫は、強い衝撃が頭部、もしくは体幹に加わり頸部に強い回旋力や引き延ばされることによって、筋肉や椎間関節、椎間板部を損傷することが多いといわれています。
生活の中では特に自動車の追突事故で起きることが多いといわれており、衝撃が加わると車のシートによって体幹が押され、頭部は慣性の法則にそってその場にとどまるため、頸椎にひずみが生じて捻挫が起きます。
スポーツ中では、ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツでよくみられます。体幹部分にタックルなどを受けた際に頸椎を捻挫するケースが多く報告されています。
頸椎捻挫の診断方法
頸椎捻挫は動作時に痛みを感じることで診断がつくことも多くあります。そのなかで、特に椎間関節障害の症状としては、頸部から肩甲骨にかけて痛みがでてきます。頸椎の何番目を痛めたかによって痛みが出る場所に違いがあります。
頸椎2番目と3番目の間だと頭と首付け根部分から首の上部にかけて痛みが出ます。頸椎3番目と4番目の間だと首全体にかけての痛み、頸椎4番目と5番目の間だと首から肩にかけて痛みが出ます。
さらに、頸椎5番目と6番目の間だと首の下部から肩全体にかけての痛み、頸椎6番目と7番目の間だと肩から肩甲骨にかけて痛みが出るなど、痛みが伊達いる部分から、頸椎の何番目を痛めたかを見分けることができます。
これらの障害の症状の特徴を踏まえて診断するには、頸部への圧痛の有無を確認します。首の後ろの真ん中に頸椎は存在していますが、その頸椎より指1~2本分外側の部分を少し押してみて、痛みを感じるかどうか確かめます。
次に、首全体の可動域を確認します。椎間関節に障害を及ぼしている場合には首を後ろに反る動作に制限がかかります。さらに、後ろに反る動作に重ねて痛みを感じる方向へ首を回旋させることで痛みを感じた場合にはほぼ確定的に頸椎捻挫、特に椎間関節の障害を疑うことができます。
適している治療とは?
基本的に頸椎捻挫は安静にすることで症状の軽快がみられます。頸椎カラーを装着するなど、なるべく首を動かさないように固定することで早く症状の改善がみられると言われています。
ただ、この頸椎カラーなどの固定器具は、動かしたときに痛みが強く感じられない場合には装着しないほうが早く回復するといわれているので、長期の装着には気を付けましょう。
また、何度も同じ場所を捻挫してしまうなどの慢性化した痛みに対しては物理療法などの治療やブロック注射をおこなうことが良いとされています。
頸椎捻挫を予防するには?
自動車の追突事故のような突然の衝撃に対しての予防は難しいところがありますが、スポーツ中に起こる頸椎捻挫に対しては、首周りのトレーニングによってある程度の衝撃に対して対抗できる力を身に着ければ予防のひとつとなります。
そのほかにも、競技特性を学び、その競技にあった動き習得するなど、身体の使い方ひとつで怪我の予防をすることもできます。
まとめ
頸椎捻挫の痛みから1日でも早く解放されるには?
頸椎捻挫とは?
頸椎を捻挫する原因
頸椎捻挫の診断方法
適している治療とは?
頸椎捻挫を予防するには?