皆さんは 捻挫 をしたときにまずどうされていらっしゃいますか。なぜかと問われると説明はできないが、とにかく 冷やす と良いと聞いているという方が多いのではないでしょうか。それは半分正解で半分不正解になります。この機会に正しい根拠を覚えておきましょう。
捻挫したら冷やす?温める?選択ミスは命取り!
急性期は冷やして、慢性期は温める
急性期というのは捻挫をして痛みが出てきたとき、つまり受傷直後です。炎症反応でこれぞ捻挫ともいえる症状のそのときです。外出先であればコンビニで冷湿布や、熱や暑さ対策の冷たいシートでも購入して、イートインスペースやその辺のベンチに座って一刻も早く冷やしましょう。
急用や急いでいるときでも、急がば回れです。我慢してそのまま歩いていると症状の程度によっては一生足を引きずる生活にもなりかねません。
これに対して慢性期は、炎症は起こっていません。患部が疲労して機能不全に陥っている状態です。冷やすとますます血流が滞って悪化してしまいますから、温タオルや蒸しタオルなどで温めてあげましょう。熱すぎないものが適切です。
今が急性期なのか慢性期なのかわからない場合は、いちばん痛い部位を触ってみてください。痛くない部位よりも熱く感じるのであれば、まだ急性期です。反対に冷たく感じる場合は慢性期と判断してOKです。
冷やせば冷やすほど良い?
個人差はあっても、冷やし方にも一定の方法が確立されています。ただ闇雲に冷やせば良いというものではありません。炎症がズキズキあるときは、48時間を目安に冷却します。まる2日間ずっとではなく、最長30~60分くらい冷やして2~3時間休憩(冷やさず安静に)します。
これは患部を休ませることにより、しもやけになるリスクを下げるのです。人によっては30分経たないうちにしもやけのような症状が出ることもあるでしょう。そんなときはただちに中止してください。
48時間冷やすことと休むことに集中できる方は少ないでしょうし、厳密に時間を守ろうと気負うことはありません。就寝中もそんなことをしていたら、睡眠不足で体調が悪化し自律神経も乱れて捻挫にも悪いです。
冷やすものは冷水、氷、湿布などになりますが、湿布よりは氷のほうが効果があります。というのは、湿布は患部の温度を下げているわけではないからです。冷たくて気持ちが良いのはあくまでも皮膚感覚にとどまります。氷のうやアイスバッグで患部の深部までしっかり冷やすのが理想です。
また、湿布は家族であっても処方された他人のものを使用してはいけません。飲み薬と同様、湿布はお薬です。当然、副作用もあります。そして使用時間は必ず守りましょう。
長時間貼れば良いというものではなく、皮膚がかぶれたり、気づいていないだけで体調も悪化しています。使用期限が切れていないかも要注意です。
自然に治ることもある
実は、軽度の捻挫は病院へ行かなくても治ることがあります。冷やして安静にしていたら治った、気合で治したというケースは健康な若者や中年には珍しいことではありません。痛みが小さく、我慢できるのであれば1~2週間ほど様子を観察しても大丈夫です。
じっとしているのが苦手な子どもや、何でも回復に時間のかかるご高齢の方などはすぐに病院へ行ったほうが良いでしょう。
明らかに病院へ行くべき症状は、①関節がグラグラして不安定である。②患部が大きく腫れていて、歩けないほど痛い。③1~2週間、安静にして様子を見ていたが良くならない。などがあれば、早めに診てもらったほうが早めに治ります。
患部をかばって生活していると、姿勢が歪んで腰痛や肩こりの原因にもなりますし良いことはありません。捻挫ではなく、ただくじいただけだったら恥ずかしいなどと考えすぎずに素直に病院へ行きましょう。
まとめ
捻挫をしたら冷やす?温める?選択ミスは命取り!
急性期は冷やして、慢性期は温める
冷やせば冷やすほど良い?
自然に治ることもある