慢性的な 腰痛 に長く悩まされている場合、それは腰椎すべり(以下 すべり症 )かもしれません。立ったり歩いたり、長い間動き続けていると腰痛や下肢痛、しびれが増強します。比較的に座ったり安静にしているときはあまり症状がでません。
すべり症は腰椎の椎間板が異常などによって骨がずれてしまった状態です。原因としては「変形性腰痛症」による変形、「腰椎分離症」による不安定性、先天性や発育性のもの、外傷によるもの、他があげられます。最も多いケースが変形性腰痛症によるもので、高齢者や女性に多くみられます。
治療は痛みや症状をやわらげる対処療法として薬物療法や物理療法や神経ブロック、固定療法があります。程度によっては外科的手術をする場合もあります。症状がコントロールされてきたら運動を少しずつ取り入れていきます。
あなたの慢性的な腰痛の原因はすべり症ではないですか?
すべり症とは?
すべり症とは腰の骨(腰椎)が滑っている状態です。人間の背骨は腰椎を含め積み木のように縦に積み上げられています。それらがずれないように一つ一つ関節(椎間関節)と靭帯でがっちりとつなぎとめられています。これらの支えが上手く働かずにずるずると腰の骨が滑ってしまったのです。
最も多いのが加齢に伴う変形性のすべり症です。骨や関節が変形したり軟骨がすり減ることにより、構造のバランスが崩れて支えきれずに前へ腰椎がずれてしまうのです。
その他に怪我によって起こる外傷性すべり症や激しいスポーツ活動などで腰骨への負担が大きくなり腰椎が分離してしまって不安定になりずれてしまう腰椎分離すべり症があります。
すべり症の症状
すべり症によって起こる代表的な症状は、慢性的に長く続く腰痛と下肢痛、しびれ、間歇性跛行があります。程度によっては残尿感や頻尿、便秘などの膀胱直腸障がいが起こります。
間歇性跛行とは、長い間歩くと、下肢に痛みや違和感が出て歩き続けることが出来なくなりますが、少し休むとまた歩けるようになることです。
すべり症に治療法
治療の初めは症状の緩解させることです。痛みがあると歩いたり日常生活動作も困難になり、体力や足腰が弱くなる一方です。症状がやわらぎ、日常が滞りなく過ごせるようになったら無理のない範囲で運動を取り入れていきます。筋力をつけることで腰骨への負担を減らし症状が再発しないようにします。
痛みをやわらげる治療として薬物療法や神経ブロック、物理療法(電気療法、牽引療法、鍼灸治療他)があります。また、腰椎の不安定性がある腰椎分離すべり症などの場合はコルセットを使用することで腰痛が軽減することがあります。上手に痛みをコントロールしていくことが大切です。
先ずは日常生活に支障なく身体が動かせるくらいになってきたら、つらくない範囲で歩いたり(負担を軽くするには水中ウォーキングも効果的です。)、簡単な体操から始めましょう。
基本的には腹筋を鍛えていくのですが、痛みがでないように注意することが必要です。無理をすると、余計に背中をそってしまって症状が増強することがあります。特に高齢者の方の簡単な運動方法を紹介します。
椅子に座った姿勢で足踏みをしたり、片方ずつ膝を伸ばす運動をします。背もたれなどで支えながら爪先立ちをゆっくり無理のない範囲でやってみましょう。
また、仰向けになって膝をたてます。そこから片方の足ずつゆっくり足部にをするように上げ下げをしていきます。その時に頭をタオルなどであげて足を見るように意識をすると腹筋が効きやすくなります。
症状を再発させないためには、痛みを上手にコントロールしながら、適度な運動を続けることです。
まとめ
あなたの慢性的な腰痛の原因はすべり症ではないですか?
すべり症とは?
すべり症の症状
すべり症の治療法