ふとした時に肩の違和感を覚え、徐々に痛みが強くなり気が付いたら腕が上がらなくなる五十肩は誰にでも起こり得ます。医療機関を受診せずに自己流の 治し方 を試みる人もいますが、 五十肩 の症状のステージについて理解していなければ治癒に悪影響を及ぼしかねません。
知らなければ悪化する?自己流での五十肩の正しい治し方
五十肩を発症した時期で変わる治し方
五十肩には急性期、慢性期、回復期の3つのステージに分類されます。痛みが発生するのは主に急性期で、夜間に発生しやすく、睡眠を妨げるほどの痛みが出現する場合もあります。その時点で肩の異変を感じるため、治し方を自身で調べて対処しようと考える人も多いと思われます。
しかし、五十肩はステージにより治し方が異なるため、急性期に誤った治し方を行うと痛みが発生している期間が延びるおそれがあります。また、慢性期や回復期に急性期での治し方を行うと、肩関節の可動域の改善が遅れる可能性があります。
ご自身での治療を考えた場合、まずは正しい治療法を理解する必要があるのです。
急性期での五十肩の治し方
急性期では特に夜間に痛みが強くなる夜間痛と、痛みによる肩関節の運動制限が特徴です。このステージで最も重要な点は、肩関節に負担を掛けないことです。日常生活では五十肩側の腕を意識して使う頻度を減らすのも効果的です。
また、睡眠を横向きの体勢で眠る人は五十肩側の肩を下にしないことは非常に重要となります。理由としては、睡眠時に患部に自分の体重分の圧力が掛かり、肩関節周囲の筋肉が緊張し炎症を増長してしまうおそれがあるためです。
そのほかにも急性期では炎症が強い状態のため、患部を冷却する方法も効果的です。冷却時間は1回につき15分~20分程度が良いとされています。長時間の冷却は身体全体が冷えて免疫力の低下が発生し、体調の悪化に繋がるため注意が必要です。
なお、急性期ではストレッチや運動療法は行う必要がありません。ストレッチは炎症に対しては悪化の原因となり、運動療法は日常生活を行う程度に動かしていれば十分であるためです。
慢性期での五十肩の治し方
慢性期では痛みが徐々に消失しますが、腕を上げるときに制限が掛かり、それ以上上げようとすると痛みが発生する拘縮による運動制限が特徴です。このステージで最も重要な点は、肩関節を痛みが残らない程度によく動かすことです。
急性期での炎症は鎮まっており、多少の負担を掛ける程度に動かすことが早期の肩の関節可動域の回復に繋がります。ストレッチも効果的ですが、少々痛みを感じる程度に留める必要があります。
慢性期では肩周囲の筋肉や軟部組織の柔軟性が失われている状態のため過度の運動やストレッチは炎症を引き起こし五十肩の悪化に繋がります。
冷却は炎症を抑える効果があるため急性期では有効でしたが、慢性期では激しい炎症は収まっているため効果的ではありません。逆に慢性期では患部を温め、筋肉や軟部組織の緊張を和らげることが重要となります。
回復期での五十肩の治し方
回復期では痛みや運動制限が徐々に改善されます。このステージは最も期間が長く、軽度の症状が長く続くため根気よく運動やストレッチを行うことが重要となります。
慢性期までは自然に治癒する可能性がありますが、油断して運動やストレッチを怠ると関節可動域の制限は残存したままとなり、完全な治癒が非常に困難になります。日常生活でも積極的に肩を使用しても問題ありません。回復期と同様、患部を温めることが効果的です。
簡単に行える五十肩の運動療法
五十肩は原因となり得る筋肉や軟部組織が数多くあり、原因となる部位により制限される動きも多少異なります。どの部位が原因でも有効かつ簡単に行える運動は窓拭きやテーブル拭きの動きです。円を描くように拭くことがポイントです。
この動きは肩関節が可能な運動の大部分を行うことができ、肩に負担を掛けないため非常に効果的です。自宅の掃除にもなり、一石二鳥となる魅力的な運動療法のため、ぜひ実践してみてください。
まとめ
知らなければ悪化する?自己流での五十肩の正しい治し方
五十肩を発症した時期で変わる治し方
急性期での五十肩の治し方
慢性期での五十肩の治し方
回復期での五十肩の治し方
簡単に行える五十肩の運動療法